puyonda’s diary

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~お菓子・お菓子作りの気になるあれこれ~

卵白に油を入れると泡立たない?

こんにちは。ぷよ吉です。

いつもありがとうございます。

 

スポンジケーキやマカロンなどを作る時に大切なのは、卵白を十分に泡立て、しっかりとしたメレンゲを作ることですよね。

メレンゲとは、卵白を泡立てたものを言います)

 

「しっかりとしたメレンゲを作る為には、まず最初に使用するボウルや泡だて器を綺麗にし、油分などが付いていないことを確認することが重要です。」

というような説明が必ずといっていいほど書かれています。

なぜなら、油分が入るとメレンゲが出来にくくなってしまうからです。

 

では、もし卵白に油が入った状態で泡立てたらどの位泡立ちにくくなるのでしょうか。

卵白が全く泡立たなくなり、メレンゲが出来なくなってしまうのでしょうか?

今回は敢えて卵白に油を入れた状態でメレンゲを作ってみて、通常のメレンゲとどう違いが生じるのか比べてみました。

 

通常メレンゲと油入りメレンゲ

今回使用した卵は、採卵して1週間経過した同じパックに入っている卵を使用しました。

 

通常メレンゲ

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約40gの卵白。

こちらをハンドミキサーの一番弱い低速で5分撹拌しました。

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ピンと角が立つメレンゲが出来ました。

 

油入りメレンゲ

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同じく約40gの卵白。

これに約1割の4gのサラダ油を加え、通常メレンゲと同じく1番弱い低速で5分間ハンドミキサーで撹拌しました。

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‥‥こちらもピンと角が立つメレンゲを作ることが出来ました。

 

あれ???

メレンゲが出来てる?

ということは、メレンゲを作る時は油分が入らないようにという注意は間違いなのでしょうか?

 

いえ、そんなはずはありませんよね。

だっていろんな記事に注意書きがされているんですから。

 

メレンゲは、キメの細かいしっかりとしたメレンゲを作ることができればボウルを逆さにしても落ちてきません。

それ程気泡が安定したメレンゲを作ることができるのです。

 

ということで、通常メレンゲと油入りメレンゲのボウルを傾けてみました。

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左が油入りメレンゲで右が通常メレンゲです。

通常メレンゲはそのままボウルにくっついているのに対し、左の油入りメレンゲはボウルから滑り落ちています。

 

因みに時間系列をお話ししますと、通常メレンゲを最初に作りその後油入りメレンゲを作りましたので、通常メレンゲは約5分程気泡が消える時間がありました。

それでも通常メレンゲはまだしっかりボウルの底にくっついています。

そして油入りメレンゲの方は、通常メレンゲと同じくらいのしっかりとしたメレンゲはまだ出来ていませんでした

 

この検証結果から、卵白に1割の油を入れて撹拌するとメレンゲはできるが油を入れない卵白に比べて泡立ちに時間がかかるということが分かりました。

どうして油が入ると泡立ちにくくなるの?

ではどうして卵白に油分が入ると泡立ちにくくなるのでしょうか。

 

まず卵白を撹拌するとメレンゲができる原理なのですが、実はこれ、生活の中で私たちはたくさん目にしているんです。

・手を洗う時に石鹸を泡立てる

・食器を洗う時にスポンジで洗剤を泡立てる

・髪を洗う時にシャンプーを泡立てる

・歯磨きする時歯磨き粉を泡立てる

これら全てメレンゲと同じ原理で泡立っています。

この石鹸やシャンプーの持っている泡立つ力を卵白は生まれつき持っているので、何も加えなくてもメレンゲを作ることが出来るんですね。

 

そして油というのは、この泡立つ力を邪魔してしまう性質があります

 

真夏で汗をいっぱいかいた日に髪の毛を洗おうとするとなかなかシャンプーが泡立たないってことありませんか?

それは、皮脂の油がシャンプーが泡立つのを邪魔しているからなのです。

皮脂がたくさん分泌された日はシャンプーの泡立ちも悪くなります。

 

メレンゲに油を加えると泡立ちにくくなるのはシャンプーのそれと同じです。

今回は卵白に1割の油を加えましたが、油を多くすると完全に泡立たなくなるでしょう。

(そのようにすると料理に使えなくなってしまうので今回は止めました)

 

少しの油ならメレンゲは作れる?

卵白に油を加えるとメレンゲが出来にくくなるという記事は他にもたくさん公開されていますし私も参考にしましたので、そちらをご覧いただければより詳しい情報を得られるかと思います。

 

今回私は、少しの油でもメレンゲは全く出来なくなってしまうのかということを知りたかったので今回の検証をしてみました。

確かに油を加えるとメレンゲは非常に出来にくくなるということが今回のことでよく分かりました。

しかし、思ったよりきちんと泡立ったな、というのが正直な感想です。

一滴の油も許してはいけないと思っていたのですが、そこまで神経質になる必要は趣味でお菓子を作る程度ならないんじゃないかなと思いました。

 

ただし、卵は生ものです。

品質、温度、環境、全てから影響を受け顔を変えるものです。

一滴の油だけでは何ともなくても、様々な条件がそこに二重三重に合わさってメレンゲが出来なくなってしまうということは十分に考えられます。

ですからレシピなどでは失敗を少しでも予防するために書かれているのではないでしょうか。読者が用意する材料から失敗を予防することはできませんからね。

 

まとめ

卵白に油分が入ってしまうとメレンゲは出来にくくなってしまいます。

しかし、ほんの少しの油でメレンゲが出来なくなってしまうということはなさそうです。

神経質になりすぎてお菓子作りが楽しくなくなってしまうのは残念です。

使う道具に油分が付いていないことを確認するのはとても大切な事ですが、油が入ってしまったから絶対にメレンゲが出来ないというわけではありません。

出来ないのではなく出来にくくなるということがミソですよ。

 

余談

今回検証した卵白は、卵黄と合わせてホットケーキにして食べました。

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