クッキーには全卵?卵黄?卵白?卵無し?
いっぱいレシピがあるクッキー。私は食べた瞬間にホロホロと崩れるバタークッキーみたいなクッキーが大好きです。
クッキーのレシピには、全卵を使うクッキーと卵黄を使うクッキーがありますよね。この違いって何なのでしょうか。また卵を使わないクッキーのレシピもあって、卵ってクッキー作りに必要ないんじゃないか?とも思いました。
どういう違いが出るのか興味が湧いたので、今回は卵に焦点を当てて色んなクッキーを作ってみました。
目次
いろんな条件でクッキーを作ってみた
条件を紹介します。今回は以下の条件に分けて検証してみました。
②全卵使ったクッキー
③卵黄のみを使ったクッキー
④卵なしのクッキー
⑤卵なし+ベーキングパウダー(以下BP)のクッキー
以上5つに条件を分けました。
今回のクッキーのレシピはこちらです。
・上白糖 30g
・卵白・全卵・卵黄 各15g
(④⑤は無し)
・薄力粉 60g
(④⑤の場合は45g)
・BP(⑤のみ) 1g
レシピは適当です。笑
覚えやすいようにバター:砂糖:卵:小麦粉を2:2:1:4にしました。
①②③の卵入りクッキーは卵白、全卵、卵黄をそれぞれ15gずつにし、④⑤の卵なしクッキーは卵の分量だけ薄力粉の分量を減らしました。(卵を減らした分水分も減ると思いましたので)
今回作るクッキーはオーソドックスな型抜きクッキーです。
それではやっていきまっしょう!
乳化しやすかったのは全卵と卵黄!
条件別に作ってみて、個人的に違いを感じたところをお伝えしていきます。
最初に感じた違いは、乳化でした。
(乳化とは、本来混ざりあえない油と水が撹拌などによって混ざり合うことをいいます)
卵は15gしかないし一気に入れちゃえーっと思い一気に加えて混ぜたのですが、ここで①(卵白)②(全卵)③(卵黄)で違いが出ました。
分離しないと思っていたのに①(卵白)が危うく分離するところでした!
混ぜ始めた途端分離する気配を感じ、「やばい!」と思って急いでぐるぐる回してなんとか分離を回避しました。
15gでも分離する可能性あるんですね。甘くみていました。
②(全卵)と③(卵黄)は難なく乳化することが出来ました。
③(卵黄)に至りましては分離する気配は全く感じずしっかりしたクリーム状になりました。
まとめやすいのは全卵!
次に違いを感じたのは薄力粉を加えて一つにまとめる時でした。全部同じようにまとまると思っていたのでここで違いが出たことにまず驚きました。
一つ一つ写真でお伝えしていきます。
①卵白のみ
とてもゆるい生地になりました。
手で触るとべたつくのでそのままラップの上に落としてラップでまとめました。
冷蔵庫で冷やしても柔らかく型にべたついて型抜きしづらかったです。
②全卵
程良い固さの生地でした。
柔らかいけど手で触ってもくっつかない位にはまとまりがありました。
冷蔵庫で冷やしても固すぎず非常に型抜きしやすかったです。
③卵黄のみ
まとめやすい生地。
②(全卵)よりは固く、すこしもろいかな?と感じましたが扱いやすかったです。
少しもろさはありましたが型抜きしやすかったです。
④卵なし
③よりは固かったです。
でもまだまとめられる柔らかさはありました。
冷やすと固くなりすぎて型抜きしづらかったです。
⑤卵なし+BP
ちょっと待って。(笑)
え?④(卵なし)とこんなに違うの?全然まとまらないんですが。(笑)
④と同じだろうと思っていたのでちょっと驚きました。
ゴムべらでは全くまとめられませんでした。
仕方ないので手でぎゅっとしてラップで固めました。
すごくもろいですがなんとかまとまって型抜きできる位にはなりました。
冷やしてラップを外すと端の方がポロッと崩れてしまいました。
あまり触らないように慎重に型抜きしましたが、④同様難しかったです。
生地の固さでこんなに違いが出るとは思いませんでした。驚きです。
生地の固さの順で言いますと、
固⑤→④→③→②→①緩
となりましたが、扱いやすさで言いますと、
○②→③→④→①→⑤×
となり、②の全卵を加えた生地が一番扱いやすかったです。
①は緩く、⑤はボロボロとなりすぎてまとめるのが大変でした。
ちなみに、ラップでまとめた写真がこちら
意外にも卵なしの生地よりも卵白を入れた生地の方が白くなりました!(なぜ?)
③は卵黄の色が影響してとても黄色いです。
卵がないとクッキーの形が崩れる!
全ての生地を冷蔵庫で十分に冷やしてから型抜きをし、①~⑤全てを同じ角皿に乗せ170度で約13~15分焼きました。
焼成後の写真がこちらです。
オーブンから出して衝撃でした。
まさかこんな結果になるとは……
形が崩れると思っていなかったので焼く前の写真を撮り忘れてしまいました。
すみません。
見た目が①②③(卵あり)と④⑤(卵なし)で全く違う物となりました。
わかりづらいですが、型は全て波のついた丸型(39mm)で型抜きしました。
④⑤はもはや原型をとどめていませんでした。
形は崩れ薄っぺらくなってしまい、そのおかげで少し焼き過ぎてしまいました。
①②③の卵が入っている方はきちんと形を保っていますし、高さもありました。
次はそれぞれの見た目と味を詳しく比べて行こうと思います。
卵黄入りのクッキーはコクがある!
それぞれの見た目をアップでみるとこのようになります。
左から①~⑤と並んでいます。
①卵白のみ
・焼き色は殆ど付かず白い
・焼くと膨らんで型より少し丸みを帯びた
・サックサクな食感
・素朴な味、少し粉っぽい気もする
②全卵
・ほんのり焼き色がつく
・若干膨らむがほぼ型通りに焼ける
・外はサク、中はホロホロな食感
・美味しい、少しコクを感じる
③卵黄のみ
・しっかり焼き色が付く
・角もしっかり残って型通りに焼ける
・噛んだ瞬間ホロホロ崩れる
・美味しい、コクがある、味がしっかりしている
④卵なし
・焼き過ぎた?
・原型がない、型通りに焼けず
・ザクザクした食感、クッキーではない
・美味しくない、油っぽさを感じる、油を吸った砂糖を食べた感じ
⑤卵なし+BP
・焼き過ぎた?
・原型はないが④よりかは若干波型が残っているような?
・バリバリボリボリ、④より固い、クッキーではない
・美味しくない、以下④同様
以上私が感じた違いでした。
検証結果
いかがでしたでしょうか。想像通りの結果でしたか?
私は味の違いが少しある位と思っていたので全く想像していない結果でした。
卵はクッキーの形を保持する!
この検証でまずわかったことは、卵には形を保持する役目があるということです。
バターは加熱すると油なので溶けて液体になります。
卵とバターが乳化により混ざり合っていたので、加熱した時に卵がバターの油を包みこんだ状態で固まり、形が崩れるのを防いだのではないかと思いました。
④⑤の味が油っぽかったのも、バターの油が乳化されずそのまま舌に届いたからではないでしょうか。
卵はクッキーの骨格だったのですね!
クッキーのコクは卵黄にあり
次にわかったことは、卵黄はクッキーにコクを出す隠し味的存在ということです。
卵白のクッキーが美味しくないという事では決してありません!
卵白のクッキーも美味しいです。
ただ、卵白クッキーと卵黄クッキーでは味が全然違いました。違う物と考えて良いでしょう。
濃さで例えると卵白はさっぱりした味、卵黄はこっくりとした味でした。
私はバタークッキーのような濃厚でホロホロ崩れるようなクッキーが好きなので卵黄クッキーが好きですが、彼氏に食べてもらったらサクサクした卵白クッキー派でした。
これはもう好みとしか言いようがないですね。食感も違うので目指したいクッキーによって卵を使い分けるのが良いと思います。
型抜きクッキーは卵黄のみ、初めてクッキーなら全卵が○
今回は型抜きクッキーという種類のクッキーで検証したのですが、しっかり形が残っていたのは③の卵黄のみでした。
③だけ角もしっかり残っていたので、型通りに焼きたい場合は卵黄のみで作った方がいいと思います。
①と②は少し膨張するので丸みを帯びた柔らかい見た目のクッキーになります。可愛い印象にしたい場合は卵白か全卵でクッキーを作るとちょうどいい見た目になります。
生地のまとまりやすさ、冷やした後の扱いやすさは全卵クッキーが一番でした。
手にべたつくこともなく、型からも出しやすいので初めてクッキーを作る方にはおすすめです。
乳化も卵黄だけに比べたら難しいですが数回に分けて混ぜれば失敗しづらいと思います。卵白だけだと失敗しやすいのでご注意ください。
卵でクッキーは変わるのだ!
卵ってクッキーで色々な役目をしていたんですね。
形を作って味に深みを出し食感にも加担している……
卵さん御見それ致しました!!!
自分が作りたいクッキーによって卵の使い方も変わりますね。
ぜひ色んなクッキーを作って楽しんでください。
この記事が皆さんのお役に立てたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。